近年、スマートフォンが急速に普及し、多くの人が当たり前のように生活必需品の一つとして利用しているのではないかと思います。
便利で手軽に利用できる反面、健康に関する弊害も生まれているのが現状です。
長時間の使用に伴う健康被害については様々な報告がありますが、
「スマホ巻き肩」と呼ばれる特徴的な姿勢の崩れが、 新現代病の一つとして注目されています。

   

スマホ巻き肩とは

「スマホ巻き肩」は正式な名称ではなく、俗称として用いられています。
その名の通り、長時間首を下に向けて体を丸めたような前かがみの姿勢でスマホを使い続ける事で、筋肉が同じ形のまま固まってしまい、肩が前を向いた猫背のような姿勢になる状態を指します。

前かがみの姿勢で筋肉が凝り固まることから、身体の前面にある胸やお腹の筋肉が縮まり、身体の後面の肩や背中回りの筋肉が伸びきったような状態となり、スマホを使用していない時でもこのような姿勢が常態化してしまいます。

 

どのような症状が起きる??

よくある代表的な症状としては肩こりや首こりが挙げられます。
その他にも、長時間肩が前を向いた様な姿勢を続けることで、肩回りの主要な筋肉が凝り固まってしまい、肩を動かせる範囲に制限が生じたり、動かす際に痛みや違和感を伴う等の症状が現れます。

また、筋肉が凝り固まる事で血流が悪くなり、放っておくと目の疲れや頭痛・息苦しさ・腰痛など、肩以外の部分にも支障を来たす場合があります。

原因は??

「スマホ巻き肩」と名前がついているという事もあり、長時間前かがみの姿勢でスマホを操作するということが大きな原因として挙げられていますが、スマホ以外にも原因は複数あると言われています。
以下に、よく挙げられる原因を紹介します。

・腕を組む癖がある
・パソコンを長時間操作する
・腹筋や背筋が弱い(または両者の筋力のバランスが悪い)
・あぐらを組む姿勢をよくする
・両手を使用するような細かい作業をする
・ハイヒールを履く

この他にも様々な原因が考えられますが、心当たりのある項目が多い方は注意が必要です。

 

セルフチェック

スマホ巻き肩のような姿勢になっているかどうか、簡易的に調べられる方法があります。
方法は簡単!力を抜いてまっすぐに立ち、自然に両手を下ろしてみましょう。

力を抜いて自然に立つと、正常であれば両腕は体の側面にあり、 手の甲は身体の外側を向きます。
この時、両腕が体の前面に来たり、手の甲が前を向いている様な人は要注意です。

このような人は、肩が前を向いて背が丸くなっている可能性があるので、日頃から鏡などで姿勢を確認するようにしましょう。

 

対策と改善方法は??

一番の対策は、普段から前かがみにならないように良い姿勢を心掛けたり、
スマホの利用時間を決めて定期的に休憩を挟むことです。
どうしても長時間使用しなければならない場合には、適宜肩や首を回したり、
背伸びをするなどして、筋肉が固まらないように身体を動かす機会を作りましょう!!

では、すでにスマホ巻き肩になってしまっている場合はどうすれば良いの…と
悩む方も多いと思います。そんな時はストレッチ!
スマホ巻き肩の場合、一定の姿勢で筋肉が凝り固まっている状態なので、
まずはストレッチで筋肉のコリをほぐしてあげましょう!!

以下に簡単に行える肩回りの体操を紹介します!
(※効果には個人差があります。痛みの無い範囲で無理のない様に行いましょう!)

① 手のひらを上に向けて肘を90°に曲げます(※お盆を持つような姿勢)
② 息をふーっと吐きながら身体の前で左右の肘から手首を合わせます
(※背中を丸めて左右の肩甲骨の間を広げるイメージ)
③息を大きく吸いながら左右の肘を体の後ろで近付けます
 (※胸を開いて、左右の肩甲骨を近付けるイメージ)
④両手をおろして両肩をすぼめ、一気に力を抜きます
⑤最後に、肩を大きく回します
 (※肘を曲げて指先を肩につけ、肘で円を描くようにして肩を回す 前後10回ずつ)

何気なく使っているスマホですが、姿勢の歪みで様々な健康への被害をもたらす場合があります。
日頃から使用時間に注意したり休憩を挟むなどして、スマホとの付き合い方を工夫しましょう♪