「ストレスコントロールの方法について 〜第2章〜」【心理学講座】

2月7日(木)にリンクス柏で心理学講座「ストレスのコントロール方法について 〜第2章〜」を行いました。

1月17日(木)に「ストレスのコントロール方法について 〜第1章〜」を行いましたので、今回はその続きです。

第1章では、
・どのようにすればマインドセットができるか?
・ストレスは必要なものである
という考え方について学びました。

第2章では、
・ストレスについての実験例(トラストゲーム)
・ストレスが必要なものである理由
・ストレス反応は3種類ある
という内容を解説しました。

トラストゲーム1

〈ストレスについての実験例(トラストゲーム)〉

イギリスのゲーム番組「ゴールデン・ボールス」という番組で、
参加者は追いつめられた時、どこまで相手を
「信用できるか」あるいは、
「身勝手になれるか(信用できないか)」
というトラスト(信頼)ゲームを行ったそうです。

上記の画像にある黒い人物をAさん、
青い人物をBさんとしましょう。

このトラストゲームは、相手を「信頼する」か「信頼しない」かで、
お金の分配が変わるゲームです。

① はじめに選択権はAさんにあります。
Aさんが、
「信頼する」を選択する  → Bさんに選択権が移る(→②へ)
「信頼しない」を選択する → Aさん、Bさんは5千円ずつ獲得して終了。(→ゲーム終了)

②Bさんが選択します。
Bさんが、
「信頼する」を選択する  → Aさん、Bさんは2万円ずつ獲得して終了(→ゲーム終了)
「信頼しない」を選択する → Aさんは0円、Bさんは4万円獲得して終了。(→ゲーム終了)

という流れのゲームです。

みなさんがAさん、Bさんの立場なら「信頼する」を選びますか?
それとも「信頼しない」を選択しますか?

むずかしい問題ですよね(汗)


Aさん、Bさんの2人とも「信頼する」を選択した結果を「信頼する」
Aさん、Bさんのどちらか、もしくは両方が「信頼しない」という選択をした結果を「信頼しない」としましょう。
この実験を行った結果、「信頼する」「信頼しない」どちらの結果が多かったでしょうか?

結果は、
「信頼する」が53%
「信頼しない」が47%
とのことでした。

だいたい、半分ずつの割合みたいですね!

トラストゲーム2

この実験には続きがあります。
トラストゲームを始める前に、強いストレス負荷を受けてもらいます。
その後、同じようにトラストゲームを行ってもらいました。

その結果は・・・なんと!!!

「信頼する」が75%

「信頼しない」が25%

で「信頼する」が大幅に増加したのです!


私の予想では「ストレス負荷が掛かった状態なら、
嫌な気持ちになってしまうから、信頼しない人が増えるんじゃないかなー?」
と思っていたのですが、違ったみたいです(笑)

ケニー・マクゴニカル氏いわく、
『ストレスは人の感情をネガティブにする作用だけではない。
ストレスには3種類の反応がある。
後半のトラストゲームで、信頼する人が増えたのは、
「思いやり・絆反応」が起きたからではないか。』
と述べられていました。


ストレス反応には3つも種類があるなんて驚きですね!

以下が詳しい解説です(^^)


ストレス反応1

「闘争・逃走反応( fight-or-flight response)」 体中の力と意志力を結集させる
・心が恐怖を感じる
・肝臓がエネルギー源となる脂肪、糖を血中に放出する
・呼吸が深くなり、たくさん酸素を心臓に届けようとする
・心拍数が上がり、酸素、糖を筋肉や脳に運ぶ力が強まる


「チャレンジ反応(challenge response)」 最高 パフォーマンスを引き出す
・心恐怖を感じていない
・肝臓がエネルギー源となる脂肪、糖を血中に放出する
・呼吸が深くなり、たくさん 酸素を心臓に届けようとする
・心拍数が上がり、酸素、糖を筋肉や脳に運ぶ力が強まる
・「フロー(自分が取り組んでいることに完全に没頭する望ましい状態)」になる



ストレス反応2

「思いやり・絆反応(tend-and-befriend response)」 社会的つながりを強化する
・誰かと繋がりを求める気持ちが強くなる(例:メールしたり、食事に行ったり)
・周囲の人の考え方や感情に気付き、理解する力が強まる
・大切な人へ信頼が深まり、相手の役に立ちたいと思う気持ちが強まる
・オキシトシンというホルモンが脳下垂体から分泌される


このようにストレスとは「嫌なもの」「避けるべきもの」というものではなく、
チャレンジ反応のように、最高のパフォーマンスを引き出したり、
思いやり・絆反応のように、人との繋がりを強める効果もあるんですね!


ストレスについての考え方を変化させて、
自身のストレスをコントロールできるように取り組んでみませんか?


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