就労移行支援事業所には「定着支援」というサービスがあります。
就労移行支援サービスを利用し、就職した方が企業で長く働けるよう、就職後もヒアリングを行ったり、企業訪問を行い支援するサービスです。



厚生労働省からの指導

厚生労働省指導のもと作成されている「就労移行支援ガイドブック」では、【原則として就労後6ヶ月間の定着支援が求められている】と記述があります。
なので、就労移行支援事業所では定着支援を6ヶ月と定めている事業所も多く見受けられます。
しかし、ガイドブックではこうも記述があります。
【現実には6ヶ月間で定着支援のニーズが完結するわけではありません。ハローワーク、障害就業・生活支援センター、障害者職業センター、相談支援事業所、その他の関係機関と連携して、就職後のフォローアップを長期的に行うことが求められます。】
現在、フォローアップをどの程度行うかは事業所によって大きくばらついています。
フォローアップをどの程度行ってくれるか?は就職者の職場定着の成否に大きく影響するのは間違いありません。
「その事業所がどのぐらいの期間、定着支援を行ってくれるか?」
「具体的にどのような定着支援を行ってくれるか?」で、その事業所の【本気さ】がある程度分かります。
もし、あなたが就労移行支援事業所に通おうと考えているのであれば、通おうと思っている事業所がどのような定着支援を行なっているのか質問してみても良いかもしれません。



リンクスでの定着支援の期間

厚生労働省の指導では、6ヶ月間の定着支援をするように定められていますが、リンクスでは定着支援の期間を原則1年間と少し長め設定させて頂いております。
しかし、これはあくまでも原則として定めている期間です。
就職者の職場への定着度合、本人の意向、など総合的に判断して、必要に応じて定着支援の期間を延長しております。
なので、定着支援を1年間以上、しっかりサポートさせて頂く場合もあります。
その後の定着支援は地域の福祉サービスと連携し、引継ぎを行なう事で、就職者の継続的な支援を行っております。



リンクスでの定着支援の方法

リンクスでの定着支援の方法は大きく分けて4つです。

①「定着支援計画書」の作成
これはリンクス独自で行っており、定着支援の方法について計画書を作成し、その計画書に沿って定着支援を行ないます。
定着支援の方法を、計画書に落とし込むことで就職者と支援者で支援方法についての共通の認識を持つことができます。
これは、支援者、被支援者の間では非常に重要です。
ここで互いの認識にギャップがあると、「相談したいのに連絡が来ない・・・。」「仕事が忙しいから、相談する時間がない・・・。」などで、支援員が必要な時に、支援に入れないという状況を防ぐことができます。
また、定着支援計画書をリンクスから企業に提出することにより、就職者がどのような定着支援を受けているかが企業側からも明確になります。
これにより企業に対し、私たちリンクスがサポートに入っていることを認知してもらい、企業からの相談も受けやすくなります。
就職者と企業の間で起きそうな問題(※例えば、職場の人間関係や、仕事の問題)を事前に察知し、問題が表面化する前に解決に向けてリンクスが動きます。
その結果、就職者は職場への長期定着と繋がっていきます。

②就職者への最低月1回のヒアリング
就職者へリンクスから必ず月に1回は連絡を取って、就職状況のヒアリングを行っております。
連絡方法は就職者が1番連絡を取りやすい方法で行っております。
主な方法としては、リンクスから就職状況を確認するメールを送り、何か就職先の状況に変化があった方には電話でヒアリングを行っております。
リンクスへの来所が可能であれば、土曜日や、平日の17時頃から面談を行ないます。
就職者の変化を見逃さないように、リンクスでは随時面談を設けることができるよう体制を整えております。

③職場訪問
リンクスの訓練プログラムを経て就職した方には、リンクススタッフがその職場を訪問させて頂いております。
就職先の企業様にもよりますが、リンクスが企業の採用担当者と直接話しをすることで、就職者の性格や、障害特性を客観的に伝えることができます。
企業様にとっても、就職者への理解が深まり、就職者への配慮を円滑に行えるメリットがあります。
企業様と就職者の間にリンクスが入ることで、就職者の定着度を高めることが出来るのです。

④定着支援の引継ぎ
リンクスでの定着支援期間が終了した後、就職者に相談窓口がなくならないように地域福祉サービスへの引継ぎを行ないます。
松戸市を例に上げますと、ビックハート松戸へ引継ぎを行ない、就職者への支援が途切れないようサポートを行ないます。
引継ぎの方法としては、担当者会議の場を設けます。
「就職者」「ビックハート松戸」「リンクス松戸」が顔を合わせて面談を行ないことで、引継ぎをしっかりと行うことができます。



参照

参照 : 就労移行支援ガイドブック